ノア式予習シリーズ学習法 5年国語 出来事を歌った短歌
短歌の中には、作者の見た景色の美しさについて歌っているものの他に
作者の身の回りで起こったできごとや生活を歌ったものがあります。
できごとや、生活を歌った短歌では、
作者の気持が感じ取れるような動作、態度などに
注目するようにしましょう。
そこから、作者の感動の中心を見つけ出すことができます。
また、歌われているようなできごとに、
もし自分が出会ったらどんな気持ちになるか考えてみましょう。
「たはむれに母を背負ひてそのあまりの軽さに泣きて三歩歩まず」
(石川啄木)
という短歌があります。
これは、面白半分に母を背負ってみたが、
おそらく母は苦労していたのだろう。
その体があまりに軽かったので、
悲しくなって三歩も歩けなかった。
という意味になります。
つまり、苦労をかけた母に対する思いやりと悲しみが、
「五・七・五・七・七」三十一音の中に
見事に表現されていますね。
このような母に対する思いは、
今の時代にも通じる普遍的なものです。
この短歌を通じて、両親の大切さや、
日ごろ自分のことをどのくらい心配しているのか
という愛情を改めて考え直してみましょう。