ノア式予習シリーズ学習法 5年国語 5年上第9回基本問題 問二解説

【問二】
それぞれの傍線部の直前にある貞行の会話文に注目します。
傍線①の直前の「そう約束したんだね。約束したが、やめるのかね」
という言葉の直後に、貞行は信夫をじっとみつめています。
つまり、信行の気持ちをここで確かめていることがわかります。
傍線②の直前では、「信夫、行っておいで」
という言葉を貞行はおだやかに言っています。
傍線③の直前になると、
「そうか。雨が降ったら行かなくてもいいという約束だったのか」
と貞行の声がきびしくなります。
傍線①から③までの貞行の気持ちの変化をしっかりととらえ、
それぞれに適切な選択肢を選びましょう。
また、アからカそれぞれの選択肢の後半に注目します。
ア「激しく責めている」
イ「確かめている」
ウ「咎める気持ちでいる」
エ「あきれかえっている」
オ「腹を立てている」
カ「たしなめる気持ちでいる」
この部分が貞行の心情と合っているかどうかがポイントです。
ア 約束を破ることは人間として最低だと激しく責めている。 ×
傍線③で貞行の声はきびしくなりますが、
信夫に対して激しく責めたてているという表現は適切ではありません。
エ ほんとうにつまらない約束をしたものだとあきれかえっている。 ×
それぞれの傍線直前の会話文に注目してみても、
貞行があきれかえっている心情は見当たりません。
オ 守れない約束は初めからするべきではないと腹を立てている。 ×
傍線①から③までに貞行は常に冷静に信夫と向き合っていることがわかりますので、
「腹を立てている」という表現は、どこにも当てはまらないことがわかります。
イ 約束を反故にしようとしているのだということを確かめている。 ①
「反故」というのは「なかったことにする」という意味です。
つまり、信夫が学校へ行くという約束をなかったことにしてしまうのかと
確かめているのです。すると、23行目「そう約束したんだね。
約束したが、やめるのかね」の部分が
この説明と一致していることがわかります。
ウ どんな約束でも破ってはいけないのだと咎める気持ちでいる。 ③
「とがめる」とは「責める、非難する」という意味です。
傍線③で貞行の声がきびしくなった後の36行目に
「約束を破るのは、犬猫にも劣るものだよ。」とあります。
この部分からも、どんな約束でも破ってはいけないという
貞行の強い気持ちが読み取れます。
カ どんな約束であれ、守るべきであるとたしなめる気持ちでいる。 ➁
「たしなめる」とは「よくない点を注意する」という意味です。
25行目の信夫の言葉「約束したことはしたけれど、・・・つまらないから。」
に対して、貞行が信夫の気持ちを改めさせるために注意していることがわかります。
答え: ① イ ② カ ③ ウ