ノア式予習シリーズ学習法 5年国語 5年上第16回基本問題 問五解説

【問五】
「出かけていくとき」の将校たちに対するひさしの気持ちは、
傍線④の直後「迷惑だなあ、という思いはいつのまにか消えていた。」
という部分から読み取ることができます。
そして、「この時」の気持ちは
「出かけていく時とはっきり違っている」のです。
1行目から25行目に書かれている将校たちと過ごした
一日の出来事の中からひさしの気持ちを読み取っていきます。
20行目「ここに来るまでは予想もしない安堵だった。」とあります。
来る前は将校たちを迷惑に思っていましたが、
今は傷病兵の姿を見なくてほっとしているのです。
この時ひさしは、これから死と向き合うことになる
将校たちに気づかいながらも、
傷病兵の姿と将校たちの姿が現実感を持って結びつき、
戦場に行くことの意味をはっきりと理解したと思われます。
また、問四にもあるように、
ひさしは、間もなく戦地に赴く将校たちに
死を連想させるものを触れさせてはいけないと考えています。
つまり、戦場には死が待っているかもしれないことを
ひさし自身も実感しているのです。
しかし、将校たちは動じることなく戦地へと赴いていきます。
ひさしは、一週間を共に過ごした将校たちが、
傷つくかもしれない、死んでしまうかもしれないと思えば、
沈んだ暗い気持ちになると考えられます。
これらのことから、
「出かけていくときは、・・・が、この時は、・・・。」
というかたちで文章を整えます。
字数制限はありませんが、より具体的にくわしく、
ひさしの心情を説明しましょう。
答え: 出かけていく時は、迷惑な人たちだと感じる存在だったが、
この時は、死んでしまうかもしれない戦場へ向かう将校としての
運命を受け入れ、動じずにいる三人のこれからの近い将来のことを考え、
暗く沈んだ気持ちになっている。