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ノア式予習シリーズ学習法 5年国語 5年下第8回基本問題 問三解説

【問三】
 
長文記述の問題です。問題文の条件を正しく読み取り、
 
主人公の気持ちを具体的に分かりやすく書くようにしましょう。
 
19行目から21行目「彼は、自分の世界の中に今と同じものを捜すかのように、
 
そこに絵を浮かべ始めた。」とあります。
 
その結果、26行目から27行目
 
「どの絵のあとにも、胸の隅のほうに言いしれない痛み」を感じています。
 
そして、傍線③の「痛み」も同じものであることがわかります。
 
「痛み」とは篤義が持つマイナス感情なので、
 
これについて書かれている部分の原因と結果を整理します。
 
すると、「クロが捨てられる」ことに対して、
 
「何もできない自分」に16行目から17行目
 
「やりきれないような思い」を感じ、
 
「悲しみとも怒りとも落胆とも違う、
 
その全部を合わせてもまだ足りないような何か」を感じています。
 
また、「土木作業の人が、家の便所の囲い板をはがしてまきにして燃やした」
 
ことに対して、「何もできない自分」が
 
「やりきれないような思い」を感じています。
 
これと同様にいじめられている千代子に対しても、
 
「ただじっと見ているだけ」で「やりきれないような思い」を感じ、
 
ここで篤義の心の中に変化が生まれます。
 
つまり、この三つの出来事に対する「痛み」は、
 
おかしいと思いながらも実際には何もできずに後悔ばかりしている
 
自分の勇気のなさや心の弱さを、
 
自分で責めている時に感じているものであることがわかります。
 
 
答え: おかしいとは思いながらも、実際の出来事に対する不安や恐怖から、
 
いつも何もできずにいる自分に後悔し、勇気のなさや、弱さを自責するつらい気持ち。